アマチュア無線の規制(2)アナログ廃止?編

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ツーリング仲間から「もうすぐ今のアマチュア無線機が使えなくなる」という情報が入った。

アマチュア無線がデジタル化されるからアナログ機はもうすぐ使えなくなるとな。

へ?そうなの?ホントか?

使えなくなる理由は
(1)スプリアス規格の厳格化
(2)デジタル化(アナログ機禁止)
だという。

「スプリアス規格の厳格化」については、電波の大元締め総務省から公式文書が発行されているので、本当の話だ。こちらについては備忘録ですでにまとめている

一方、「デジタル化」についてはなかなか正確な情報が得られない。散々ググってもアマチュア無線のアナログ機の使用を禁止する、という内容の情報が出てこないのだ。
アマチュア無線の「デジタル化」なんて重要な話なので総務省から公式文書が出ていなければおかしいのだ。
散々探しても正確な情報が見つからないってことは・・・・
アマチュア無線のデジタル化はガセじゃね?

情報探しも一旦終了したいので、ここで
「アマチュア無線のデジタル化(アナログ廃止)はない」
という結論にしておこう。

理由は次の通り。

1.アマチュア無線は国際規格
 アマチュア無線は、趣味的位置づけではあるが、航空無線や船舶無線と同じく国際条約で規格化されている(外国の無線局と通信するため)。従って、総務省(日本の電波管理省庁)だけの判断でデジタル化することはできない。国際会議を経て条約加盟国の同意を得て初めて可能になるのだが、現在のところ、そんな条約改正の話はない。

2.アマチュア無線機にはそっくりさんがいる
 そのそっくりさんは、業務用簡易無線機。道路工事や建設現場でおいちゃんたちが使っているのが「業務用簡易無線機」である。この無線機、ハンディタイプなので見た目にアマチュア無線と誤解してしまうし、「簡易無線機」という名がなんとなく「アマチュア」っぽさを醸し出すが、全くの別モノである。アマチュア無線はあくまで「私的で非営利の業務」に使用しなければならない(営利業務に使用するのは違反)。一方、業務用簡易無線は道路工事、建設、警備などの営利業務に使われる。
それに、割り当てられている周波数帯も異なる。
業務用簡易無線:27MHz、150MHz、350MHz、400MHz、900MHz、950MHz、50GHz
アマチュア無線:50MHz、144MHz、430MHz、1200MHz等


3.業務用簡易無線機はもうすぐアナログが使えなくなる
 その業務用簡易無線機(350MHz帯と400MHz帯だけ)には、アナログ機とデジタル機の2種類がある。そして、2022年(平成34年)12月1日以降、350MHz帯と400MHz帯のアナログ業務用簡易無線機は使用禁止となる。こちらは、総務省のホームページでしっかりと告知されている。

 一方、アマチュア無線に関しては、いくら探してもデジタル化の告知は見当たらない。

4.販売店の勘違い
 上述のように、業務用簡易無線機とアマチュア無線機とはそっくりなので、混同してしまっている販売店や中古買取店が見られる。このような店のホームページには、アマチュア無線がデジタル化されるので今のアナログ機は使えなくなるよ的な説明があったりする。
 つまり、知識の浅い販売店が勘違いしている可能性がたかい。


5.アマチュア無線のデジタル規格
 確かに、アマチュア無線には、D-sterというデジタル通信(デジタル変調)という規格が存在する。この規格は日本が開発し、世界で採用されたものらしい。つまり、アマチュア無線には世界標準のデジタル変調規格が存在している(総務省HP参照)。

D-sterの規格はこちら


 このデジタル規格は、無線機をパソコンに繋いでインターネットもできるとか。簡単に言うと、デジタル通信のアマチュア無線は、かつてNTTが開発したISDNみたいなものだろう。
日本では現在、D-ster規格のアマチュア無線機をアイコム、八重洲無線(スタンダード)、ケンウッドが出している。そして、その無線機は、D-ster専用ではなく従来のアナログ通信もできる。・・というよりD-sterはあくまでオプション扱いである。
一方、そのメーカーは今でもアナログ専用機を生産し続けている。
ここで重要なのが、先の業務用簡易無線機の場合、すでにアナログ機の生産はしていないということだ。
つまり、アナログ機の製造が継続しているアマチュア無線にはデジタル化(アナログ廃止)はないということがわかる。


ということで、
アマチュア無線のデジタル化(アナログ廃止)という情報はガセ
と判断した。


------ここからは個人的に興味があるが情報を見つけられなかった内容-----
  完全に推測である
従来のアナログ信号の通信とD-sterのデジタル信号の通信とが同じ周波数である場合、周波数が同じである以上、アナログ機もデジタル信号を受信することになる。
じゃあ、アナログ機にデジタル信号が入ってきたらどうなるのか?
D-sterの変調方式(GMSKかQPSK変調[位相変調])とアナログ機の変調方式(FM変調[周波数変調])とは違うから、アナログ機がデジタル信号を受信しても復調できずに無音状態になるはず(たぶん)。
例えば、同一グループ内でデジタル通信とアナログ通信を同一周波数で行った場合、アナログ機はデジタル通信している人の会話を聞けないどころか、会話をしていることすらわからない。さらに、デジタル信号だけは受信しているので、音声が再生されなくてもバッテリーが消費されていく摩訶不思議な状況が生まれると思われる。


20180118

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(20180701追記)

アマチュア無線局の免許更新(局免)を行った。
免状の備考欄を見てくれ。
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スプリアス規制だけ記載されている。
アナログ廃止については記載なし。
もう、確定でしょ。

アマチュア無線のアナログ廃止はガセ!

以上!

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この記事へのコメント

moonsum
2019年08月29日 07:48
大変分かりやすくまとめて頂きありがとうございました。
20年ぶりにアマチュア無線再開してみようかな…と思っていた矢先、アナログ無線廃止の文字がネット上に流れていたので使えなくなると誤認していました。
簡易無線とアマチュア無線、大変ややこしいですね。。