2005年デミオMT(DY3W)のインプレ2

デミオ(DY3W)を購入してから約1年たった。
がっつり乗りまくっているわけではないが1年乗った後のインプレを書いてみよう。
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1.ハンドリング
ファミリーカーとは思えないほどクイックである。ちょいとハンドルを切っただけで頭がスパっとまわる。こりゃおもしろい。細かいターンが続く道などは得意だ。でも・・・これはハンドリングのスーパーチューニングというより小径ホイールのせいだろう。
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14インチだよ。175/65の14インチ。今時の軽自動車レベル。

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こうやって見ると、小径であることがよくわかる。
このハンドリングは高速道路で裏目に出る。直進安定性があまりない。ハンドルを握りしめることはないが、ちょっとしたハンドルの動きでフラフラしてしまう。やっぱ、小径ホイールの弱点だなー

2.エンジン
ライバルとのカタログスペックを比較してみよう。
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排気量がわずかにライバルのVitsやマーチより大きい。
しかし、そのフィーリングはライバルとは一線を画する。
ライバルが安定志向なことに対し、割とピーキーだ。2000~4000rpmは1300ccのファミリーカーエンジンとは思えないほど元気がいい。箱根ターンパイクを気持ちよく登れる。
一般向け1300ccエンジンがこんなに元気がいいのなら、1500ccのスポルト(DY5W)のエンジンはどんだけ楽しいんだ!
わずか150ccの排気量アップで20ps以上もパワーアップ!
・・・ちょっと無理をしてでもスポルトを探してもらうべきだったか。

でも、エンジンもハンドリングと同様にネガティブな面も持つ。
低回転(1,000~1500rpm)のトルクが弱い。
さらに、デミオはライバル車と比べて車重が重い。
なので、平地では気にならないが、ちょっとした坂道となると、低回転ではアクセル踏んでも加速せず、一段下のギアを使うことになる。

3.室内騒音
これは現在のコンパクトカーの圧勝でしょう。ロードノイズはガンガンに入ってくる。路面状況が悪い高速道路なんて騒音だらけ。吸音材を敷くとかそういうレベルではない。コンパクトカーの車内騒音を小さくしようという時代ではなかったのかもしれない。

4.アクセルワーク
この第2世代デミオからかな、コンパクトカーにもインジェクションが採用され始めたのは。インジェクションは、キャブレターに比べて細かいセッティングができるからパワーアップには不可欠。1300ccのキャパシティで90psを超える出力を得られるのもインジェクションのおかげ。
でも、この世代のインジェクションにはセッティングの詰めの甘さが感じられる。
通常走っている分には問題ない。でも、ゼロスタートするとき(クラッチミートさせるとき)はクセが有りまくり。
アイドリング安定制御が悪さをしていることは前に書いたが、1年たってもなかなか慣れない。
アクセル開度に対するエンジン回転具合はこんな感じである。
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あそび領域の後に、わずかにエンジンの回転数をじわんと上昇させる領域Aがある。この
領域Bは通常走行で使う領域である。
領域Aを使ってクラッチミートさせるとスマートで静かな発進ができる。しかし、領域Aが非常に狭いのだ(感覚的には数mm)。アクセルペダルを踏む力の入れ具合によっては領域Aに入らず(あそび領域のまま)エンジン回転数が上がらないし、領域Aを飛び越えて領域Bに入ってしまう。領域Bに入ると、エンジン回転数が一気に上昇する。
ホントにシビアなアクセルワークが求められる。
なので、このデミオを運転するときは、微妙なアクセルワークがやりやすい靴底が薄いスニーカーを履いている。
靴底が厚い、硬い靴だと領域Aを使うことが至難の業だ。
ATだとこんなこと全く感じないのかもしれないが、MTだとインジェクションセッティングの甘さが目立ってしまう(ちなみに現在のデミオ(DJ3FS)のMTにはこの症状はない)。

その他にも、ギアチェンジの時(エンジン回転数が一度落ちた後)、アクセルペダルの踏むタイミングとエンジン回転数の上昇とがずれていたりする(想定以上にエンジン回転数が上昇する)。

ちなみに通常のヒールトゥーはできないと思われ。
ブレーキペダルの位置(高さ)とアクセルペダルの位置(高さ)が離れすぎており(上下差が大きい)、つま先でブレーキペダルを踏んでも踵がアクセルペダルに届かない・・・・(オレの足首が固いというのもあるが)
逆ヒールトゥー(踵でブレーキ、つま先でアクセル)なら可能かなぁー
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5.とりまわし
今のデミオ(DJ3FS)も5ナンバーで大きさ的にはあまり変わっていない。
しかし、このデミオ(DY3W)の方が格段に取り回しが良い。
それは、車両感覚の取りやすさと後方確認のしやすさであろう。
車両感覚について言えば、今のデミオはデザイン優先で無駄にボリュームが付いており、車幅の感覚がずれるのだ。
後方確認も同じ。デザイン優先で後部ウインドが小さく後ろが見辛い。バックモニターを付けることを前提としているみたいだ。これはマツダだけでなく他メーカーのコンパクトカーにもいえる。

6.まとめると
このデミオ(DY3W)の製造時(2005年)は、おそらく、日本車のエンジン性能がピークに達した時と思っている。この後に製造される車は、安全機能、環境基準強化、車内設備の方向へ向かい、エンジン性能自体は上がっていない。むしろ、環境対策でエンジン性能は低下している。大排気量車は排気量アップで誤魔化しているが、コンパクトクラスは排気量に縛りがあるからカタログスペック上に変化はなくても確実にパワーダウンしている。
なので、インジェクションセッティングの甘さはあるが、エンジン性能がピーク且つシンプルな(故障し難く、故障しても修理代が安い)日本車という意味で乗り続ける価値のある車だと思っている。なので、次の車検(2018年)からは税金は上がってしまうが、このまま乗り続けるつもりだ。新しい車のカタログには目移りしてしまうけどね・・・
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7.余談
ここから先は筆者の戯言。
日本人はもとより諸外国の人たちも日本車は故障しにくく、耐久性があって、すばらしい車との認識がある。「今まで」はこれで正しいだろう。これから先、日本車は素晴らしいとの勲章はもらえないと思っている。
それは極端なコストダウンによる製品の品質低下だ。日本メーカーは利益を確保するために極端なコストダウンをモデルチェンジ毎に行っている。公にされたニッサンは記憶に新しい。品質低下といってもワールドスタンダードな品質は満たしている。今までが過剰クオリティだったのだ。過剰クオリティだから「すばらしい車」の勲章がもらえたのだ。これがワールドスタンダードな品質に低下したらどうだろう。もはや「日本車」と他の車との差別化は無くなる。
しかも、余計なことに高度な制御(燃費制御や運転サポートなど)や装備(ナビや快適装備)が次々付加されている。このようなものは故障の発生確率を高めるし、なにより制御がブラックボックス化して発展途上国では修理できない。
これは先進国では問題にならない。先進国では新車の買い替えサイクルが短いから「品質低下」に気づかれない。しかし、中古車として輸出される発展途上国で顕著に表れる。要は「故障しやすい日本車」というレッテルを張られてしまう。これは、日本車メーカーにとって非常に痛い。今後車の販売台数が飛躍的に伸びるのは発展途上国だ。ここで品質が悪いというレッテルを張られると車が売れなくなる。今、日本の自動車メーカーはコストダウンでなんとか利益を出しているが、これが将来の糧をつぶしてしまっていることに気づいているのだろうか。今の自動車が中古車として発展途上国に売られる10年、20年後にその答えが出る。

20170425


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